ごあいさつ

ごあいさつ

東京大学TR拠点の紹介

 

TRを推進するプロジェクト病院としての医科研附属病院

渡し研究戦略的推進プログラム
国立大学法人東京大学 拠点長
医学部附属病院 副院長

大須賀 穣
 
東京大学医科学研究所附属病院
病院長

四柳 宏
 東京大学は多くの研究科や研究所を有する総合大学です。医学系研究科や医科学研究所のみならず、工学系研究科、薬学系研究科、理学系研究科、農学生命科学研究科、定量生命科学研究所、先端科学技術研究センター、新領域創成科学研究科等の部局において、医療と生命科学に関連する多くの優れた基礎・開発・応用研究が繰り広げられ、多数のシーズを有している特徴があります。本学におけるTRは、全学組織である「トランスレーショナル・リサーチ機構」(TR機構)がその舵を取り展開しています。TR機構の指導のもと、医学部附属病院と医科学研究所附属病院等のスタッフからなる「TR推進センター」が実務を遂行しています。そしてその成果は、東京大学産学協創推進本部や株式会社東京大学TLOを通じて社会に還元する仕組みとなっています。
 医学部附属病院においては、院内組織である「TRセンター」が、本郷におけるTRの司令塔として拠点の中心的役割を果たし、外部施設との窓口となります。TRセンターでは主にシーズの掘り起こしや、臨床試験に持ち込むまでのシーズ支援を担当します。臨床試験の段階になると、TRセンターと連携しながら、治験なども担当する「臨床研究推進センター」もTRの一翼を担います。また、院内の設備としてもCPC(セル・プロセシング・センター)やPhase l 試験を行うためのPlユニットを整備しました。工学系シーズについては、部局横断的産官学民協働拠点である分子ライフイノベーション機構を利用し臨床生命医工学連携研究機構を設立し、医工連携を更に発展させて医療機器創出を目指しています。ゲノム医療にも力を入れ、診療体制と臨床研究支援体制を有機的に連携し、実用化を目標とした支援体制を構築しています。恒常的にTRに取り組むために、これらTRに関連する部門を整備拡充しつつあり、学外シーズへの支援にも力を入れています。
   東京大学医科学研究所附属病院(IMSUT Hospital)は、我が国唯一の国立大学付置研究所附属病院で、最先端研究を臨床へ繋げる橋渡し研究(TR)や早期臨床試験を実施するプロジェクト病院として重要な役割を担っています。革新的医療技術の臨床開発を目指した拠点の一つとして、時代の要請に応じたTRを円滑に進められるように体制整備を進め、医科研病院のTR・治験センターは様々な専門スタッフを充実させてきています。TR支援部門としても、細胞リソースセンター部/治療ベクター開発センター/生物製剤安全性検証室などが整備されています。
 東京大学では、全学組織であるTR機構が全体の統括をしていますが、医科研病院は医学部附属病院と連携し、TR推進センター(TRAC)の一翼を担っています。また、医科研病院は全国共同利用型病院として、学外シーズも受け入れていることが特徴です。優れたプロジェクトの臨床開発を推進する場として、医科研病院が広く利用されることを期待しています。
 新しい方向性としては、がんと難治性疾患を主な対象とした遺伝子・細胞治療センター(CGCT: Center for Gene & Cell Therapy)を平成26年に設置しました。欧米では遺伝子治療が復活しつつあり、実用化に向けた臨床開発が活発化しています。IMSUT-CGCTは我が国における遺伝子治療・細胞治療の拠点として、TRを推進していきます。
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