臨床研究名 | ホルモン治療抵抗性再燃前立腺癌患者に対する増殖型遺伝子組換え単純ヘルペスウイルスG47Δを用いたウイルス療法の臨床研究 |
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始めに | この臨床研究は、前立腺癌に対する新たな治療法の開発を目的に、東京大学医学部附属病院泌尿器科で実施します。G47Δという遺伝子組換え型単純ヘルペスウイルスを用いることから、実施計画は東京大学医学部の遺伝子治療臨床研究審査委員会に加えて、厚生労働大臣の承認を得ています。 新しい治療薬の開発は、一般に安全性を確かめるための臨床試験を行い、その後、少数の患者を対象に治療効果を調べる臨床試験、そして多数の患者を対象に治療効果や安全性を検証する臨床試験という順に実施していきます。今回の臨床研究は、その最初の段階であり、参加されても病気の回復に結びつかない可能性があります。しかし、このような臨床試験が進めば、前立腺癌に対する新しい治療法を確立するために役にたつ可能性があります。 なお、今回の臨床研究は、製薬会社などが行い、厚生労働省から医薬品としての承認を取得するための臨床試験、いわゆる「治験」ではありません。 |
試験の概略 | 臨床研究の対象となるのは、前立腺癌の患者で、ホルモン療法にもかかわらず再燃した場合です。ホルモン療法に抵抗性となった前立腺癌に対しては、抗癌剤治療が行われることがありますが、対象に高齢者が多いこともあり、選択されないことも多いのが現状です。また、唯一効果があるとされるドセタキセルでも骨髄抑制などの副作用にて消耗して治療中止となる場合も多く見られます。今回の臨床研究は、増殖するウイルスで腫瘍細胞を破壊するという全く新しい方法を試みます。 G47Δという遺伝子組換えヘルペスウイルスを会陰部の皮膚から直接前立腺内に投与します。 G47Δのもととなった単純ヘルペスウイルスI型は、口唇に水疱を生じる口唇ヘルペスの原因ウイルスですが、ごくまれに角膜炎や重症の脳炎を起こすことが知られています。単純ヘルペスウイルスI型の3つの遺伝子に組み換え技術を用いて人為的変異を加え、腫瘍細胞だけで増殖し正常組織を傷つけないように工夫したのがG47Δです。 G47Δを腫瘍に感染させると、G47Δが増殖→腫瘍細胞を破壊→増えたG47Δが周りの腫瘍細胞に感染→G47Δが増殖→腫瘍細胞を破壊、を繰り返して腫瘍を縮小させると期待されます。今回の臨床研究は、G47Δの前立腺内投与が安全かどうかを確かめることが第一の目的です。 |
参加のための 主な規準 |
・前立腺全摘除術を受けずにホルモン療法を行っている前立腺癌患者であること。 ・ホルモン療法が無効となり前立腺癌が再燃していること。前立腺癌の存在が病理学的に確認されていること。 ・介助なしに生活できる状態であること。 ・20歳以上であること。 ・重篤な合併疾患や検査値異常のないこと。 ・1ヶ月以内に抗癌剤の投与を受けていないこと。 ・1ヶ月以内に他の臨床試験薬の投与を受けていないこと。 |
被験者登録は終了しました